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NPO法人とお付き合いさせていただくようになって、はや数年が経過しました。
時々、NPO法人の会計相談を担当する機会にも恵まれました。
NPO法人は、別称「特定非営利活動法人」と呼ばれています。
「非営利」とつくので、税金は「非課税」であると思っている方も多く、
また「非営利」なのだから、「資金は残してはいけない」とか、「利益を生じてはいけない」と誤解されている方も多いです。
会計相談では、そんな誤解に、「非営利」とは、「利益を配分してはいけない」ということであって、利益を留保してはいけないということではないこと、資金の残すかどうかは、法人が決めることであること、NPO法人も34業種に該当すれば法人税の納税義務者となること、消費税も場合によっては納税義務者となることなど、なるべく丁寧にご説明しています。
そうすると、多くの法人の代表者は、安心してくださったり、がっかりしてしまったり・・・。税金面でNPO法人は、公益法人や社会福祉法人のような特典がありませんから、こういうお話しすると、ご相談にいらした方は実に残念そうです。
公益法人等や社会福祉法人と同じ活動をしている、いえ場合によっては、それ以上に質の高い活動をしているという自負心があればあるほど、残念に思えるのであろうと思います。お気持ちは、良く解ります。
会計相談を通して、いろいろな活動をしている法人があることも知りました。
NPO法人の活動の中には、こういう活動は必要ではないのではないかと思っていたことも、よくよく法人の方のお話しをお伺いすると、社会制度の隙間に気づくことがありました。NPO法人を知ることは、行政の隙間を知ることでした。私の知らないことがまだまだ多いことを、思い知らされました。
最近良く聞く「自己責任」ということも、これまでは正論であろうと思っていました。しかし、最近それは正論ではないのではないかと思うようになりました。
「自己責任」という言葉は、頑張って頑張ったなりの成果を手に入れられる方にあてはまる言葉であって、頑張ってもなかなか成果を得られない方もいるのです。
端的な例は、障害者です。彼らは、某の能力が欠けていたり不足していたりして、精一杯頑張っても出来ないことも多いです。障害者という制度に入れた方は、良い方なのかもしれません。そのボーダーライン上で、障害者ではなく、でも1人で出来ないことも多い方というのは間違いなく存在しています。
そういう方々にも、「自己責任」と言う言葉をあてはめてしまうのは、あまりに酷ではないでしょうか。
勝者の理論は、いつでも正しいと思われがちですが、いえ正しいのでしょうが、あらゆる場面で勝者の理論が正しいとは言えないのではないかと思うようになりました。
幸いにも、私は五体満足であり、こうして仕事もしております。私が、五体満足であることは、全くの偶然です。障害者となった方も、また偶然であろうと思います。
ですから、私はそういう偶然に感謝をしなければならないと思いました。更に、感謝するならば、その感謝を何かの形で誰かにお返しをすべきであろうとも思いました。
それは、ボランティアという形でも良いし、寄付でも良く、ほんの一時の親切でも良いと思います。
NPOの方々からお話しをお伺いするたび、NPO活動に真摯に取り組む人々を見るたびに、随分私は考えさせられました。私の場合のNPO活動とは何であろうかと思い、辿りついたことは、「目の前にある仕事を一生懸命すること」でした。
NPO法人を支援する機会に恵まれた時には、NPO法人を支援することを通じて社会貢献していこうと決心致しました。しかしもっと広く考えれば、法人等の利益獲得に寄与することも、納税を通しての社会貢献と言えるのかもしれません。
社会が有機的に繋がっていることを感じることが必要であり、それが 社会貢献の第一歩なのではないかと思います。
NPO法人との出会いは、私に新たな価値観をもたらしてくれたのです。