個人の所得税においては、ある所得に損失がある場合には、他の黒字の所得を損益を通算することができます。
この場合に、全ての所得が損益通算できる訳ではなく、特定の所得の金額、または特殊な損失については、損益通算できないことになっています。
区 分 | 内 容 |
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損益通算 | 次の所得の計算上生じた損失 |
出来る損失 | ①不動産所得(注1) ②事業所得 ③譲渡所得 ④山林所得 ※下記の特殊な損失を除く。 |
損益通算 出来ない損失 | 次の所得及び所得の計算上生じた損失 ①利子所得 ②配当所得 ③ 給与所得 ④退職所得 ⑤一時所得 ⑥雑所得 ⑦個人に対する資産の低額譲渡により生じた損失 |
損益通算 出来ない損失 | 特殊な損失 ①競走馬(事業用を除く)、別荘、書画、骨董、貴金属などの「生活に通常必要でな資産」について生じた損失(注2) ②非課税所得の計算上生じた損失 ③土地建物等の譲渡による生じた損失 (注3) ④株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上生じた損失 ⑤先物取引に係る雑所得等の金額の計算上生じた損失 |
(注1)
不動産所得の計算上生じた損失の金額のうち、土地等の取得に係借入利子の額に対応する金額については、損益通算の対象とされません。
また平成18年分以降、不動産所得を生ずべき事業を行う民法組合等(外国におけるこれに類似するものを含みます。)の個人組合員※1 のその民法組合等に係る不動産所得の金額の計算上生じた損失については、なかったものとみなされ、損益通算の対象となりません。(H17年改正)
※1組合の重要な業務の執務の決定に関与し、契約を締結するための交渉等自らその執務を行う個人組合員を除く。
(注2)
競走馬(事業用を除く)の譲渡による譲渡所得の損失の金額に限り、その競走馬の保有に係る雑所得の金額から差し引くことが出来ます。ただし、損失の金額が引ききれないときは、その損失の金額はなかったものとされます。
(注3)
平成16年1月1日以降の行う土地、建物等の譲渡(所定の例外あり)により譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、土地、建物等の譲渡による譲渡所得以外の所得との損益通算及び翌年以降の繰越は出来ません。
また土地建物等の譲渡による譲渡所得以外の所得金額の計算上生じた損失の金額についても、平成16年1月1日以後に行う、土地建物等の譲渡による譲渡所得の金額との損益通算が認められません。
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平野由紀子税理士事務所
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